あらすじ
国家の幸福は、たった一人の犠牲によって守られている――。
すべてを管理する国家AIによって選ばれた“守幸者”。
それは国家安寧のため、生涯を密室で過ごすことを義務づけられた存在だった。
ある時、17歳の少女がその役目に選ばれた。
突然に日常を奪われ、家族にすら見捨てられた彼女は、“人柱”としての人生を受け入れるしかなかった。
誰にも届かない歌を、ひとり繰り返しながら。
やがて彼女の存在は、ひとつの問いを社会に投げかける。
――たったひとりを犠牲にして、その安寧は本当に守るべきものなのか?
これは、ひとつの犠牲の上に成り立つ世界と、そこから目を逸らしてきた人々の寓話。