あらすじ

星々が銀河をめぐり、人は体内に宿る星核を通して星素を受け取り、星力を扱う。神々の加護と星の巡りに支えられてきたその世界で、ユーソレイ王国の姫君ラドネは、太陽神の加護を授かるはずだった儀式の日、王宮を襲った裏切りによって故郷を追われる。兄テルユキと執事ランセルに逃がされ、名も身分も隠して辺境の町オトビへ落ち延びたラドネの胸に残されたのは、亡き母の形見であり羅針盤でもあるペンダントだけだった。 突然すべてを失いながらも、オトビでの新しい暮らしは、ラドネにこれまで知らなかった日々を教えていく。あたたかな人々との出会い、賑やかで不器用な毎日、誰かのために笑い、悩み、動く時間。守られるだけだった姫君はその中で少しずつ、自分の足で立つこと、自分の意志で誰かに手を伸ばすことを知っていく。失ったものの大きさを抱えながらも、ラドネはやがて、誰かを守れる人になりたいと願うようになる。 だがその頃、世界には目に見えぬ歪みが広がり始めていた。星々と神々に支えられてきたはずの理は揺らぎ、その影では、冥王星神を祀る闇の集団ディスケルムが各地で爪痕を残していた。逆星ごとに異なる思想と在り方を持つ彼らは、人の弱さや絶望にそれぞれのかたちで入り込み、世界にさらなる綻びを生み出していく。オトビで起きる異変もまた、その闇と無関係ではなかった。 大切なものを奪われた痛みを知るからこそ、ラドネは目の前の悲しみを見過ごせない。優しさだけでは届かない現実に迷い、傷つき、それでも仲間たちとともに町を蝕む闇へ立ち向かっていく。これは、小さな町での出会いと戦いを通して、星に導かれた少女が最初の一歩を刻む物語。喪失の果てから光を選ぶ少女が、やがて神々と世界の真実へ向かう旅の始まりを描く、赦しと再生の王道長編ファンタジー。

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カクヨム
カクヨム2026/04/04
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