あらすじ
霧に包まれた犬鳴村(いぬなきむら)には、完璧なまでに美しい陶器のような家が建っている。そこには、互いを命よりも愛し合う若き夫婦、犬神 江戸(いぬがみ えど)とあかりが暮らしていた。
しかし、親しげな微笑みと温かな晩餐の裏側で、その木の床下には決して乾くことのない血の臭いが染み付いている。江戸にとって、殺人は家族の平穏を守るための「滅菌」に過ぎない。そしてあかりにとって、鮮血は夫婦の情熱を燃やし続けるための「スパイス」だった。
その完璧な生活に亀裂が入ったのは、娘のしおりが母親の「処刑」の残骸から「遊び道具」を拾い始めた時だった。江戸は足を洗おうと願ったが、あかりは人生の「色彩」を失うことを拒んだ。
霧の向こうから警察が死臭を嗅ぎつけ始めた時、致命的な選択を迫られることになる。
血塗られた愛を手放すのか、それとも最後の晩餐と共に、二人で破滅へと堕ちていくのか。