あらすじ
明治七年、横浜。
滅んだ幕府の勘定方が、英国銀行へ未払い金を取り立てに行く。
新政府へ渡されようとしているのは、ただの埋蔵金ではない。
旧臣や遺族へ支払われるはずだった、幕府最後の未払い金だった。
元幕府勘定方・片桐数馬は、元歌舞伎役者、からくり師、礼法師範、通詞、医者、荷役頭、新聞売りの少年ら十人を集め、英国銀行を盗る計画を立てる。
狙うのは金だけではない。
「誰に払うはずの金か」を証明する秘帳と契約控まで奪わなければ、この盗みはただの強盗で終わる。
しかも相手は、鍵、封蝋、立会改封、電信、外交で守られた英国銀行。
金庫を破っても勝ちにならない。
ならば答えは一つ。
銀行に、自分で全部を揃えさせる。
これは、維新の敗者たちが止まった支払いを動かし直すために、英国銀行を盗る物語。