あらすじ
王位継承に端を発した二つの王国による終わりない戦争。
ウルスラ・リュミエールは二十歳にして騎士団長として戦場で生きてきた。
ある日彼女は占領を果たした敵地でひとりの医師を捕虜にする。
元宮廷医師フレデリク・ベイリー。
「命を救えるのならば本望です」
そう告げた彼は、敵国の軍医でありながら負傷者を救い続けた。
まがいものの貴族として孤立していたウルスラは、
戦場でひた隠しにしていた傷を彼にだけ治療してもらうことになる。
破滅の一途をたどる戦場で、ふたりはやがて惹かれ合っていく。
しかし戦争はふたりのささやかな繋がりすらも奪い取ろうとする。
「あなたを失いたくない」
死地に向かうウルスラを守るため、
軍医フレデリクはある“決断”を下す。
それは、世界の形すら変えてしまう選択だった。
愛は人を狂わせるのか。
狂気の果てにある思いは、真実となりうるのか。
壊れていく戦場で、二人の願いが交錯する。
孤独な騎士と捕虜の軍医
戦場の片隅にあった、深愛の物語