あらすじ
名門貴族の生まれでありながら、オメガであることを理由に家族から見捨てられた青年・リオン。
彼は国境の森の奥深くで、身を隠すようにして小さな食堂を営んでいた。
ある嵐の夜。
激しい雨風に打たれながら食堂の扉を叩いたのは、大柄で威圧的な銀狼の獣人・ガレルと、彼に抱えられた幼い2人のもふもふ獣人の孤児たちだった。
警戒心も露わな子供たちと、不器用ながらも彼らを守ろうとするガレル。
リオンは彼らを食堂へ招き入れ、得意の温かい手料理を振る舞う。
「……うまい食事だった」
リオンの作る素朴で心温まる料理と、彼自身から漂う穏やかな匂いに、ガレルや子供たちは次第に心を開いていく。
誰からも必要とされないと思っていたリオンだったが、ガレルからの真っ直ぐな愛情と、子供たちからの無邪気な懐きによって、少しずつ自身の価値と居場所を見出していく。
美味しいご飯が紡ぐ、孤独だった青年と不器用な獣人王の、甘く温かいスローライフ・ラブストーリー。
【登場人物紹介】
◆リオン
人間の青年。
22歳。
オメガ。
名門貴族の生まれだが、オメガであることを理由に家族から見捨てられ、国境の森の奥で小さな食堂を営んでいる。
控えめで心優しい性格。
派手な魔法や技術は持たないが、食べる人の心を温める素朴で美味しい家庭料理を作る才能がある。
過去の経験から自己評価が低いが、ガレルや子供たちとの関わりを通じて少しずつ自信を取り戻していく。
◆ガレル
獣人国の王。
28歳。
銀狼の獣人で強力なアルファ。
威厳に満ちた堂々たる体躯と鋭い眼光を持つが、根は誠実で不器用。
激務の傍ら、身寄りのない獣人の子供たちを保護して育てているものの、彼らとの接し方に悩んでいる。
リオンの作る料理と、彼自身から漂う穏やかで甘い匂いに本能レベルで惹きつけられ、不器用ながらも深い愛情と強い庇護欲を注ぐようになる。
◆ルカ
ガレルが保護している孤児。
赤狐の獣人の男の子。
6歳。
警戒心が強く、最初はリオンに対しても尖った態度をとるが、甘い焼き菓子と優しい撫で方にほだされ、誰よりもリオンに懐くようになる。
◆ミーナ
ガレルが保護している孤児。
子熊の獣人の女の子。
4歳。
おとなしく引っ込み思案。
食べることが大好きで、リオンの作るふわふわのパンに夢中。
リオンを本当の母親のように慕う。