あらすじ
走ることに意味なんてなかった。ただ逃げたかった。焼け跡の炎と迫る飢え、そしてあの辛い日々すべてから。
――でも、そんな俺に蹄を与えてくれた人がいてくれて、それから逃げることは嫌いじゃなくなった。
白く輝く霊馬に転身して走る。
誰よりも速くて優しくて、そしてひたすらに強かった彼のように。
もうこの世界にはいないあの人から託された騎石が俺を蹄走者(リグ・レイサー)にしてくれた。
近世が終わる時代の境界、西洋から伝来した“馬たちの競い合い”その熱にこの国は瞬く間に呑まれた。
魔力を有する人の中でも選ばれた存在――蹄走者(リグ・レイサー)は、霊馬に転身、栄光のゴールを目指し死力を尽くす。
これは約束を胸に走り続けた一人の男と、それを見届ける少女の物語。
架空世界を舞台にした競馬人間ドラマのファンタジー小説です。