あらすじ

「音が、遅れて聞こえた」 中学時代、400メートルで将来を期待されながら、ある県大会決勝を境に走ることから遠ざかった朝倉蓮。 高校でも陸上とは距離を置くはずだった彼は、人数不足の4×400mリレーに半ば強引に引き込まれ、 真壁、瀬川、神崎たちとバトンをつなぐことになる。 弱小チームのマイルリレー。 速いだけでは勝てない。 一走の爆発力、二走の安定感、三走に託される流れ、そしてアンカーの執念。 限界の中で4人の呼吸、意思、リズムが噛み合った瞬間、世界が0.1秒だけズレる。 蓮だけが一段深く踏み込む異様な感覚 ―“シンクロ”。 それは誰にでも見える奇跡ではない。 蓮に伝わり、蓮を通して、仲間の走りにだけ共有される一瞬の現象だった。 県大会、関東大会、そして全国へ。 個人種目では届かない壁に跳ね返されながらも、リレーでしか踏み込めない領域がある。 これは、置いていかれる痛みを知った少年が、 「託される」ことと「つなぐ」ことを覚え、エースになっていくまでのストーリー。 速さでは届かない領域へ。 “0.1秒のズレ”が、彼らの青春を変えていく。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/04/04
  • 現在の作品マイルリレー【シンクロ】―4人が繋がるとき0.1秒世界が遅れてついてくる―