あらすじ
📖 あらすじ
乙女ゲーム『花冠の乙女と七つの誓い』のラスボスを倒した瞬間、椅子から転げ落ちて死んだ。
享年二十六歳。死因:椅子。我ながら言葉もない。
気づいたら転生していたのは——よりによって、そのゲームで「処刑される悪役」のルーク・ヴァルロスだった。
ゲームの知識を持つ俺には、活路がある。シナリオ通りに動いて物語を完走させ、処刑の瞬間だけを回避する。完璧な計画だ。
ただし問題が一つあった。
ゲームの「シナリオ通りの悪行」が、想像以上にえぐかった。
ヒロインを廊下で転ばせる。食堂でトレーをひっくり返す。魔法で脅す——日本で二十六年生きた俺に、そんな真似ができるわけがない。
だから「誰も傷つけない悪行もどき」を自分で考えた。席を横取りする。授業で対決を迫る。問題児班に放り込む。
完璧な嫌がらせのはずだった。
なのに——なぜか毎回、感謝される。
悪行・十九回。感謝・十九回。死亡フラグ・継続中。
俺は悪役だ。死ぬわけにはいかない。だから今日も、完璧な嫌がらせを実行する。
——なのになぜ、お前は笑うんだ。