あらすじ
「その『大精霊』を我が国に献上せよ。これは正当な権利の行使である」
精霊都市の正当な所有者となったリンの前に現れたのは、隣国バルザスの傲慢な王だった。
騎士団を率い、古びた条約を盾に大精霊ナトゥの「収用」を宣言する王に対し、リンは冷徹にペンを執る。
提示された条約の不備。
期限切れの公文書。
そして、一国の経済を一夜にして崩壊させうる「エネルギー供給元」としての絶対的優位。
沈黙を守る大精霊ナトゥが、その金色の瞳で王を射抜くとき、リンの「実務」が牙を剥く。
「国家資産すべてに、法的差し押さえ(ガーニッシュメント)を執行するわ。準備はいいかしら?」
これは、法とロジックを武器にする実務家が、理不尽な権力を静かに、そして苛烈に解体する記録である。