あらすじ

「きみのことばにおとをあげる」 内向的な少年・直人が、教室の隅でひっそりと綴っていた未完成の物語。 その拙い言葉に「命の音」を吹き込んだのは、クラスの人気者でフルートの天才少女、結野栞だった。 放課後の図書室、夕暮れの公園、二人だけの演奏会。 言葉と音が溶け合う穏やかな日常は、いつまでも続くはずだった。 ――だが、残酷な運命は、彼女のフルートから音を奪っていく。 「私、死ぬんだ。もうすぐ」 突きつけられた余命宣告。 絶望に震える彼女に、今度は直人が「言葉」を贈る番だった。 「僕が、栞の音に言葉をあげる。君の人生を、物語にするよ」 血に染まるフルート。 未完成の原稿に宿る、魂の叫び。 たとえ世界が二人を引き裂いても、共に奏でた「心」だけは消えはしない。 これは、不器用な僕たちが、命の限りに愛し、奏で、書き上げた――最期の交響曲(シンフォニー)。

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カクヨム2026/04/04
  • 現在の作品ことばにおとを