あらすじ
「魔王を倒した高揚感も束の間、勇者たちを待っていたのは『税務調査』だった――」
世界を救った勇者レオン、魔導士マリエル、聖女サラの三人は、魔王城に隠されていた百億ゴールドの財宝を前に歓喜する。しかし、そこへ現れたのは魔王の残党ではなく、中央ギルド税務署の冷酷な査察官ルークス。彼は「事業所得」として財宝の半分以上を徴収すると宣言する。
絶体絶命の危機を救ったのは、パーティーの荷物持ちであり、前世で税理士をしていた青年トウマだった。彼は五年間、戦闘の裏で密かに付け続けていた「完璧な帳簿」と「領収書の束」を武器に、ルークスの強引な課税を退ける。
しかし、徴税の包囲網は止まらない。トウマは資産を守るため、一行を連れて南の島の租税回避地(タックス・ヘイブン)へ飛び、ペーパーカンパニーによる租税回避スキームを構築。対するルークスは、国際税務調査の網を張り巡らせて彼らを追い詰める。
「聖剣を使ったココナッツ割り」や「魔導エステ」など、節税のために「事業の実体」を急造するドタバタ劇の末、ついに迎えた運命の三月十五日。王都の税務署窓口で、トウマとルークスによる、法と数字を駆使した最終決戦(確定申告)の幕が上がる!
果たして勇者たちは、百億ゴールドを守り抜くことができるのか? それとも、税金の重圧の前に「地下鉱山送り」となってしまうのか?