あらすじ
「被保全権利――ギルド規約に基づくパーティ構成員たる地位」
鑑定士ルークは、Sランクパーティ「暁の剣」の誰よりも多くの書類を書き、誰よりも多くの罠を見破り、誰よりも報われなかった。
剣聖カイルの「お前は弱い」の一言で、三年間の仕事ごと切り捨てられる。
ルークが向かったのは、別のパーティでも冒険者ギルドの相談窓口でもない。ギルド法務局だ。
規約の手続違反を突き、地位保全の仮処分を勝ち取る。間接強制金は日額金貨十枚。
だが本当の戦いはここからだった。
法的に正しくても、「自分自身が必要とされていたか」は別の問題だ。
仮処分で復帰した居心地の悪いパーティの中で、ルークはようやく知ることになる。
三年間、自分の仕事を一日も欠かさず見つめ続けた人間がいたことを。
手続きの正しさの向こう側にある、もうひとつの「証拠」と「承認」の物語。