あらすじ
関口律、24歳、狐族、金毛。
給料日の翌日、口座残高はゼロになる。
毎月、例外なく、ゼロになる。
生活費はコンビニのコーヒーと定食屋のツケで成立している。冷蔵庫にはコーヒーしかない。光熱費は忘れる。家賃は5日遅れる。大家には謝る。翌月また遅れる。
給料の全額は、白いシルビアに消える。
ヤフオクで140万。元ミサイル車の事故車。フロントは潰れ、シートは持ち去られ、タービンは取説だけが残っていた。それでもリツは「これだ」と思った。理由は語らない。
毎話、一つのパーツが届く。
リツは独り言のようにそのパーツのことを語る。
なぜこれか。どこで手に入れたか。いくらだったか。シルビアに何をもたらすか。
板倉の工場に持ち込む。取り付けが終わったら、シルビアに話しかける。
「似合うか」
獣人と人間が混在する新田原市で、金欠の狐がシルビアを育てる話。
一話完結。全員クズ属性。背後に何かがチラついているが、本人は気づいていない。