あらすじ

壇ノ浦の海底にある平家の幽宮へ、鬼が芳一の“両耳”だけを持ち帰る。 耳は腐らず、潮の流れに触れるたびに、恨みを情けに、怒りを悟りに変えるような声で語り続けた。 八百年のあいだ、耳の語りは平家の亡霊たちの怨念を少しずつ和らげ、 やがて鬼は消え、従者たちは人の心を取り戻す。 幼い安徳天皇は涙ながらに願う。 「祖父・清盛の怨念を晴らし、平家一門を救ってほしい」と。 その祈りに応えるように、耳は光に包まれ、 琵琶と盲目の法師の姿へと変わり、海底の宮を去る。 それ以来、夜のどこかで琵琶の音が響き、 聞く者の心を揺さぶり、救いと試練を与え続ける。 芳一の耳は、今も永遠に語り続けている。

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カクヨム
カクヨム2026/04/03
  • 現在の作品芳一の耳