あらすじ
「言葉は死を止められない。だが、魂を現像することはできる」
二〇二六年、尾道の高台で一人の老作家が死を待っていた。
彼の名は湊陽翔(みなと はると)。九十歳。
戦後直後の混乱期、銀色の海が広がる尾道で出会った少女・真帆。
彼女は言葉を失い、手の甲に「三十七個の点」を持つ、悲劇の象徴だった。
一九四六年の出会い。一九六〇年代、新宿の喧騒の中での逃避行。
そして百島の廃屋で起きた、凄絶な「最後の演奏」。
陽翔は彼女を救うためにペンを握り、作家となった。
だが、彼が綴ってきた数々の名作は、真帆という存在を言葉の檻に閉じ込める「執着」に過ぎなかったのか。
九十年の歳月を経て、物語はついに最後の一行――「三十七行目」へと辿り着く。
カクヨム連載と同期して明かされる、老作家の狂気と純愛。
その結末は、美しく装飾された「悲劇」か、それとも泥にまみれた「救い」か。
これは、銀色のインクで綴られた、世界で最も孤独な一億字のラブレター。
【連載スケジュール】
第一部(過去・新宿編):4月4日(土) 07:00 開始
第二部(現代・再会編):順次公開
抒情編・最終回:9月26日(土) 07:00 公開予定