あらすじ
「ようこそ、我が世界へ」
そう、唱えられた時の怒りを今も忘れない。
ようこそではない。
無理矢理連れてこられたのに、さも歓迎しましょうという言葉は何様のつもりなのだろう。
水道管が壊れたからと、業者を呼ぶのとはわけが違うのだが?
「はぁ、なぜこんなところに」
ぶっきらぼうに独り言か質問かわからないようなことを呟く。
その態度が気に入らないのか相手の声音に、微かに剣呑なものが混じりだす。
女は相棒と共に異世界で転生し、婚約者を当てがわれる。
ハズレと言えるような最低な相手を。
早々に馬鹿らしいと見放し、浮気相手と破滅させる。
勝手に自滅していったようなものではあるが。
土地の恩恵をも手放す所業、確かに確認させてもらいましたから。