あらすじ

誰よりも清く、誰よりも美しく――。 かつて「東雲(しののめ)」というアイドル像を、誰よりも信じていたのは自分だった。 四十代後半。殺人鬼の役が板についたベテラン俳優となった僕は、深夜のベランダで独り、喉を灼く煙を吐き出す。 僕の中に転がっているのは、演じ終えて切り離してきた、いくつもの「終わった僕」の死体。 役を完璧にこなせばこなすほど、自分という器の中身は空洞になっていった。 ――そしてその夜。 僕は最後となる「完璧な嘘」を、世界に向けて送信した。 翌朝、部屋に残されていたのは、長年演じ続けられた「東雲」という役の抜け殻だけで……。 一人の俳優が、自分を捨て、「男」に戻るまでの静かな一夜を描いた短編。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/04/03
  • 現在の作品不在の証明