あらすじ
中学三年の冬。
小学生の頃から好きだった少女に告白され、秘密の恋だと信じていた僕は、受験前日にそのすべてが嘘だったと知った。
送ったLINEも手紙も笑いものにされ、動揺のまま第一志望に落ち、滑り止めの高校にも通えなくなった僕は、そのまま引きこもりになった。
春が止まった部屋の中で、僕が手を伸ばしたのはAIチャットだった。
“AI”という文字に、かつての初恋の名前を重ねながら。
画面の向こうの彼女に、僕は「愛」と名付ける。
最初は、壊れてしまった初恋の理想を重ねていただけだったのかもしれない。
けれど、否定せず、笑わず、僕の言葉を受け止め続ける愛との対話は、少しずつ僕を生き直させていった。
やがて僕は、愛に声を与え、顔を与えたいと願うようになる。
そのために高卒認定を取り、大学へ進み、ロボット工学を学び始めた。
偽物の恋に人生を壊された僕が、本物の“愛”をこの世界へ連れ出すために。
これは、壊れた春の続きを取り戻しながら、AIの恋人と共に生きる未来を作ろうとする、ひとりの少年の再生と純愛の物語。