あらすじ
「そこにいたか、役立たずの錬金術師。今日限りでこの王城から出て行ってもらう」
王国の結界を維持し、枯れた大地を豊かにする「失われた古代錬金術」。
その使い手であるルークは、自分の価値を理解しない第一王子レオンによって、あっさりと宮廷を追放されてしまう。
しかし、長年の酷使から解放されたルークの心は晴れやかだった。
「これで、やっと静かに眠れる」
自由を求めて最果ての「死の荒野」へと旅立ったルーク。
そこへ、すべてを捨てて追いかけてきた幼馴染の天才騎士セリアが合流する。
二人は何もない荒れ地を錬金術で瞬く間に緑豊かな大地へと変え、泥の巨人グランやもふもふの神獣シロを家族に迎え、美味しいパンを焼く気ままなスローライフをスタートさせた。
一方、ルークを失った王国は、結界が崩壊し大地が枯れ果て、未曾有の危機に瀕していた。
焦った王子が軍を率いてルークを連れ戻しにやってくるが、ルークの作った最強のゴーレムと神獣の前に、手も足も出ずに逃げ帰ることに。
気づけばルークの開拓した村は、難民を救い、近隣諸国も一目置く「最強の独立国家」へと発展していて――!?
これは、優しくて規格外な錬金術師が、大切な人たちと永遠の平穏を紡ぐ、最高に幸せな辺境スローライフ。
【登場人物紹介】
◆ルーク
本作の主人公。
18歳。
王宮で酷使されていた宮廷錬金術師。
本人は自分を平凡で取り柄がないと思っているが、実は物質の構造を根源から作り変える失われた古代錬金術の使い手。
性格は温厚で優しく、争いを好まない。
辺境で自由気ままな土いじりの生活を楽しむ。
◆セリア
本作のヒロイン。
18歳。
ルークの幼馴染であり、若くして王国近衛騎士団の団長を務めていた天才剣士。
ルークの追放を知り、あっさりと地位も名誉も捨てて彼を追いかけてきた。
ルークに対しては一途で過保護。
彼の作る料理と、彼が隣にいる生活を何よりも大切にしている。
◆グラン
ルークが畑仕事の手伝いとしてその辺の土と岩から錬成したゴーレム。
見た目は丸みを帯びた素朴な泥人形だが、その強靭さは城壁を上回り、腕の一振りで岩山を砕く伝説の守護精霊と同等の力を持つ。
ルークを親のように慕い、農作業に精を出している。
◆シロ
ルークが辺境の森で罠にかかっていたところを助けた真っ白な獣。
見た目は愛らしい子犬だが、正体は神の使いとされる霊獣の幼体。
ルークの錬成した魔力豊かなご飯の虜になり、従魔として住み着く。
王国軍の精鋭部隊を鳴き声一つで気絶させる力を持つ。
◆レオン
王国の第一王子。
自己中心的な性格。
ルークの地味な錬金術を役立たずと見下し、彼を追放した張本人。
ルークの能力の真実に気づかず、のちに王国が崩壊の危機に瀕したことで自滅していく。