あらすじ
平八重梓(ひらえ・あずさ)は、波風を立てない「最適解」を選び続けることで、教室という舞台を生き延びてきた。
そんな彼の対極にいるのが、クラスの中心で誰にでも優しい完璧な優等生、仁平香穂(にひら・かほ)。
交わるはずのなかった二人が、放課後のプール裏――光の届かない「隅っこ」で出会った時、偽りの日常は音を立てて軋み始める。
ブカブカのジャージに身を包み、周囲への呪念を吐き捨てる仁平。
優等生の仮面の下に隠された、毒を抱えた「狼」の本性。
誰にも見せられない素顔を暴き合い、一番痛いコンプレックスを抉り合う。
だが、正解を演じる必要のないその場所だけが、僕たちにとって唯一、まともな酸素を吸い込める居場所だった。
これは、間違いだらけの正解を求めて、宇宙一不格好な「青」を駆け抜ける、二人の最果ての物語。