あらすじ
王宮の地下工房で、来る日も来る日も魔道具を作り続ける伯爵令嬢ルクレツィア。
戦場の兵士たちを守るため、眠れない夜も荒れた指先も厭わなかった彼女に、婚約者の第一王子は冷たく告げた。
「そんなガラクタはもう不要だ。王宮から出て行け」
攻撃魔法の使い手を次期王妃に選んだ王子に追放された彼女を、雨の中で待っていたのは、王国最強と謳われる辺境伯アレクシスだった。
「三年前、君の魔道具が俺の命を救った。……どうか、俺の領地へ来てくれないか」
ガラクタと呼ばれた魔道具の、本当の価値を知る男に導かれ、ルクレツィアは新たな居場所を見つけていく。
しかしやがて、彼女が王都に残してきた魔道具が引き起こした、ある「真実」が明らかになり――。
守ることを諦めなかった魔道具師と、不器用な辺境伯の、傷だらけの手が重なるまでの物語。