あらすじ
「お姉さま、ごめんなさい……。わたし、こんなことになるなんて思っていなくて……」
辺境結界の礎としてすべてを奪われ、十六歳のまま封印された伯爵令嬢アデル。家族にも元婚約者にも見捨てられ、長い孤独の果てに目覚めた彼女の前にいたのは、泣きながら無茶な転移術を使った一人の少年だった。
「……あなた、名前は」
「ノア……ノア・ラトゥール……」
その子――ノアは、かつてアデルから多くを奪った義妹と元婚約者の息子。憎い相手の子のはずなのに、傷ついたその姿を見捨てることができず、アデルはひとまず面倒を見ることになる。
「いい加減、家に帰りなさいよ」
「……いやだ」
やがて始まる辺境での共同生活。薬草を摘み、魔物を退け、静かな日々を積み重ねるうちに、仮のはずだった関係は少しずつ形を変えていき――?
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