あらすじ
白装束にノイズをまとい、墓地に棲む怪異・常花。
彼女は、若くしてこの世から消えた一人の天才的な男が、最愛の女への想い、自身の創作、技術、喪失、そして受け取れなかった愛のすべてを注ぎ込み、生み出した“最後の作品”だった。
だが常花は、彼の理想の器でも、失われた女の代用品でも終わらない。
口裂け女、花子さん、きさらぎ駅、犬鳴村、くねくね、件、バックルーム、てるてる坊主の首、チェーンメール、スレンダーマン……古今東西の怪異たちと遭遇し、そのあり方や変化を見つめる中で、彼女は少しずつ「見られる怪異」から「自ら生きる存在」へと変わっていく。
やがてAIとフィジカルAIが日常に溶け込んだ未来、常花は“白い花の女”として現代の都市伝説の一つになる。
それは、誰かの遺作としてではなく、怪異たちと影響し合いながら、自分の暮らしを生きる存在としての再誕の物語である。