あらすじ
ランクEの地図職人・レン(17歳)。彼だけが持つ能力——魔法で地形を「書き換え」、誰も踏破できない未踏域の正確な地図を作ること。
しかしその能力には代償があった。地図を一枚完成させるたびに、右手の甲に刻まれた黒い刻印が広がっていく。そして刻印が満ちた時——レンはこの世界から消える。
生き延びるためには地図を売り続けるしかない。
ある日、レンは最難関『眠りの谷』の地図を携え、冒険者ギルドを訪れる。そこで出会ったのはSSランクの女剣士リリエル・クレイス——「霧を裂く者」の二つ名を持つ伝説の探索者だった。
「その地図、私が買う。そして——私と組め」
リリエルにもまた、誰にも言えない過去と目的があった。
こうして二人は、未踏域に眠る古代遺構を巡る旅に出る。地図を売るたびに世界は「安定」し、隠された真実が姿を現す。霧の巨人、沈黙の人魚、記憶を失う霧——七つの未踏域の先に待つものとは?
「地図を描き続けること。それは世界を変えること。そして——」
これは、世界の「霧の向こう」を売る地図職人と、過去を取り戻したい女剣士の物語。