あらすじ
神から与えられる「魔法」が絶対視される世界。主人公の少年アスター・アルブレヒトは、魔法の代償で母を亡くした過去から神を憎み、人類が魔法に依存せず自立して生きられる技術の確立を目指す研究者だった。彼は自身の「透視魔法」の特性を活かし、魔力を増幅させる画期的な装置を発明する。しかし、その技術は新たに教皇の座に就いた超合理主義者ナハト・クリークの目に留まり、恐るべき戦略級魔導兵器「アスタロト・マギア」として軍事利用されてしまう。
アスターの意に反し、装置は隣国サルビア帝国への侵略と、非魔法使いを排斥するための「選別」に用いられ、罪のない民衆や友人の命が奪われていく。自身の発明が凄惨な悲劇を生んだことに絶望するアスターだったが、聖女でありながら倫理を度外視した純粋な研究者であるアリアの支えや、恩師ハンスの自己犠牲による死を乗り越え、自らの「生み出したもの」の責任を果たす決意を固める。
アスターは表向きはナハトに従う「神意執行軍・技術総監」として振る舞いながら、反ナハトの秘密組織「アマテラス」に加わる。自身の左腕に兵器の魔力を相殺する器官を移植した彼は、軍内部から兵器開発を縮小させつつ、民の生活を照らす「魔石ランプ」の普及を水面下で進めていく。
そして訪れた最終決戦の夜。ナハトはサルビア(現・神国ゼラフ)で意図的に魔物を暴走させる。アスターはアマテラスの仲間たちと連携し、圧倒的な力を持つナハトを激闘の末に討ち果たす。さらに、命を賭して暴走する魔物、巨大な土地神の魔力を吸収し、それをランプの光へと還元することで街と人々を救う。
夜が明け、恐怖による支配は終わった。新しい教皇の下、アスターの作ったランプの優しい光が街を照らし始める。彼は「兵器」の生みの親から、人々の暮らしを支える「道具」の生みの親となり、本当の意味での研究者としての道を歩み始めるのだった。