あらすじ

かつて世界を救った勇者は、祖国に戻り、王に一人謁見する。 「よくやった勇者よ。してそなたは見返りに何を望む」 「何も。私の役目は終わりましたので」 「このような強大な力を持つ個人、居ても要らぬ禍根となりましょう」 「故に、素性も、名前も、栄光も、ここに捨て置き俗世から去ることにします」 「もとより決めていたこと、去る私の跡を辿りたくば辿ればよろしい」 「ですが、害を成すならば切り捨てるまで。いえ、このような熱を失った者、捨て置けばそのうち勝手に飢え死んでおりましょう」 「ですので、どうが、身勝手ではありますが、自由の身を」 かの英雄は、何を望むべくともなく国を去ったとされ、その後の姿、行先を知る者は居らず。 今頃は野垂れ死んでおることでしょうなーーー。 「さて、一度は死んだこの身、友の元に行くべく死地を探すとしましょうか」 かつて世界を救った勇者は、すべてを捨てて国を去った。 名も、栄光も、力さえも。 生きる理由を失った彼は、ただ一つ—— 「死に場所」を求め、魔物の巣へと足を向け続けていた。 そんな彼が出会ったのは、かつて自らが討ち滅ぼした魔王の息子。 守る価値などないはずの存在。 それでも彼は、その少年を見捨てることができなかった。 全盛期に振るった力は老いと共に衰え、かつての武具もまた、旅路の中で砕け、失われていく。 やがて折れた剣を手に、最期の戦いに挑む元勇者。 これは——すべてを失った男が、最後に選んだ「救い」の物語。

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小説を読もう2026/04/03
  • 現在の作品折れた剣の行方 -全てを捨てた勇者は、魔王の息子を守る-