あらすじ
大学生の俺は、クジャク獣人の女子高生・ヒナミの家庭教師をしている。
出会いは三年前。いじめを苦に不登校になっていた中学生のヒナミは、部屋の隅でうずくまって、俺と目も合わせてくれなかった。くすんだ茶色の羽。長い前髪で隠した顔。声も出さない女の子。
半年かけて心を開いてもらった。一年後にはよく笑うようになった。そして——俺が毎日来ることを条件に、学校に戻った。
あれから三年。不登校だった女の子は信じられないほど変わった。
羽はくすんだ茶色から、息を呑むほどの極彩色に。学校ではラブレターの山が積み上がるほどの美少女に。
だけど告白は全部断って、ラブレターは全部捨てて、彼女はこう言う。
「せんせーがいるから、他はいらない」
俺の膝の上を指定席にして、「せんせーの膝の上に巣を作るの! 愛の巣!」と宣言された。
そして昨日、「せんせー、ちゅーしよ?」と迫られた。家庭教師と生徒だぞ。ダメに決まってるだろ。
——ところで、クジャク獣人は、なんで羽が綺麗になるか、知ってる?
好きな人ができた時に色づくその羽は、狙った異性を必ず手に入れるという“意思表示”。
出会ったあの日から、ヒナミの羽はずっと綺麗になり続けている。
俺の隣で、俺だけを見て、俺のためだけに。
それを知ってしまった俺に、家庭教師だから、は通用しない。
「それじゃ、ヒナと愛の巣、作ろっか💞」