あらすじ
──市販の日記帳が嫌いだ。
表紙はいいのに、中身が嫌いだ。
日付が既に割り振られていて、まるで年の初めから書き始めないといけないという圧を感じる。
強制してくるこの圧が嫌いだ。
途中から参入してきたものを、有無を言わせず追い払うような、本来ならいつだって書き始めていいものなのに、それを許さないような態度が嫌いだ。
だから私は、ここに新しく自作の日記帳として記録をつけ始めることにした。
毎日は書かなくていい。
ただ、書きたいことがあったときに、その日考えたことを、乱雑に書き殴るだけの、酷く自己満足な日記帳だ。
だが、所詮日記帳というものはそういうものだ。
見る者のことを考えず、ただ、自分の目的のままに、あるがままに書き殴る。
すべてを書かなくたっていい。
本当のことじゃなくてもいい。
ただ自分に嘘さえつかなければなんだっていい。
何を書いて、何を書かないかはすべて自由だ。
この世界は本来自由だから。
ただ、この世にあるのは解釈だけで、事実なんてものは端から存在しない。
事実なんてものは、単純に誰かから見ただけの解釈に過ぎないのだから。