あらすじ
うだつの上がらない中年冒険者のマーク。
クエスト中にオークの不意打ちを受けた彼は、前世(社畜)の記憶とともに、とあるバグ技を思い出してしまう。
――魔導歴八〇一年、満月の夜に、教会の屋根にある天使像を持ち上げると、【窃盗】スキルがカンストする――
「いやいや、流石にありえないだろ……」
そう思いながら天使像を持ち上げたマイクの【窃盗】スキルがカンストした。
* * *
対象の持っている『アイテム』はもちろん、『装備中の武器』や『ライフポイント』、『ステータス』まで盗めるようになってしまった彼は、ひょんなことから女勇者の聖剣を盗んでしまう。
すぐに返そうとしたマークだったが、既に所有権が移行しており、外すことさえできない。
うろたえる彼に、元勇者の少女は弱弱しく叫んだ。
「――か、返してくれないなら…………あなたが代わりに『勇者』になれッッ!!」