あらすじ
「初めまして。ユウです。現在、知恵熱で鼻血を出しながらお湯を沸かしています」
「……なあユウ。ただの湯沸かしに、そこまで高度な術式を組む必要はあるのか? また知恵熱で倒れられても、オレはもう運んでやらないぞ」
「お言葉ですがノエルさん。泥まみれの野宿なんて人間としての尊厳に関わります。魔王の首より、まずは温かいお風呂の確保が最優先課題です。……あ、ノエルさん、そこのお肉焦げてますよ。剣の腕は一流でも、お肉を返すタイミングは三流ですね」
「……誰のせいで肉から目を離したと思ってるんだ。文句を言うなら、今日の夕飯はお前の分だけ黒焦げにするぞ」
「それは困ります。術式の構築には膨大なカロリーが必要なんです。焦げた部分はノエルさんが食べてください」
「お前なぁ……」
これは、理不尽な『魔の樹海』に放り出された平凡な高校生が、極限まで研ぎ澄ませた知覚と持ちうる知識をフル活用し、自分なりの魔法の理(ことわり)を築き上げていく物語。
呆れる凄腕剣士と共にひたすら快適な生活を目指してマイペースに旅をする、少し変わった異世界冒険譚。
※こちらは『黒の救世主〜マイペースな識の魔導師は今日も我が道を往く〜』のリメイク版になります。内容は前作とほとんど別物なので、前作を知らない方でも安心して読めるようになっております。