あらすじ
南の温暖な国で、一族から無能なオメガとして冷遇されて育った王子リオン。
彼はある日、平和の対価として「生贄」の名目で、雪と氷に閉ざされた北の獣人国へと送られてしまう。
嫁ぎ先は、巨大な狼の姿を持つ獣人の王、ゼルグ。
粗野で凶暴な化け物だと噂される彼に、リオンは恐怖に震え、己の死を覚悟していた。
しかし――。
言葉の通じない異国で彼を待っていたのは、冷たい牢獄でも残酷な死でもなかった。
不器用で無口な狼王は、寒さに震えるリオンのために自らの手で温かい毛皮の寝床を作り、美味しい食事を与え、絶対的な庇護の腕で包み込んでいく。
「この人は、僕を傷つけない」
言葉という壁に阻まれながらも、土に触れ、花を育て、互いの体温を分け合うことで、二人は少しずつ心の距離を縮めていく。
やがて南の国から理不尽な命令を携えた使者が現れた時、リオンは自らの運命を切り開くため、ある決断を下す。
これは、凍てつく世界で不要とされた孤独なオメガが、不器用な獣人王の極上の愛に溶かされ、永遠の春を手に入れるまでの、言葉を超えた純愛ファンタジー。
※本作はボーイズラブ要素およびオメガバース設定を含みます。物語の後半において、直接的ではありませんが性的な接触を匂わせる描写が含まれますので、苦手な方は閲覧にご注意ください。(R15相当)