あらすじ

陽子さんは笑わない人だった。
 素っ気ない口調と振る舞いが好きだった。
 最初は知るために、そして忘れないために、僕は彼女の話し方や考え方を真似た。
 日を追うごとに僕はそれに馴染んだ。 彼女に近付き、他の人々から遠くなった。
 その事で母は悲しみ、大人達は苛立ち、友達は離れていった。
 構わないと思っていた。 正しいとか間違いとかじゃなくて、僕がそうしたかったから。
 五年の間、僕は陽子さんのように振る舞い続けた。
 思えばそれは意味のないことだった。
 僕は陽子さんのすべてが好きだけど、 陽子さんは自分自身を好きな人ではなかった。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/04/02
  • 現在の作品ゆうすげびとの席 —約束—