あらすじ
人間の国で「無能なオメガ」として虐げられ、生贄として魔王領へ追放された第三王子・ダンテ。
雪降る死の大地で彼を待ち受けていたのは、残虐な怪物という噂とは正反対の、領民を想う不器用で心優しい魔王・ルグランでした。
ダンテは、これまで隠し続けてきた「植物の声を聴き、成長を促す魔法」を使い、枯れ果てた魔王領の土地を蘇らせていきます。
彼の魔法が不毛の荒野を緑豊かな豊穣の楽園へと変えていくにつれ、二人の絆も深く結びついていき——。
一方、ダンテという恵みを失った人間の国は、自らの愚かさによって滅亡の危機へと向かっていました。
これは、誰からも愛されなかったオメガの王子が、本当の居場所と永遠の愛を手に入れ、大地の母として幸せになるまでの、温かくて優しい奇跡の物語です。
※本作にはオメガバース特有の発情期の描写や、軽度な暴力・流血表現が含まれますのでR15とさせて頂きます。
【登場人物紹介】
◆ダンテ
人間の国の第三王子。19歳。
性別はオメガ。
王族でありながらオメガとして生まれ、家族から無能と虐げられて育つ。
植物の声を聞き、成長を促す稀有な魔法の持ち主だが、その能力を隠して生きてきた。
冷酷と噂される魔王への生贄として追放されるが、持ち前の優しさと魔法で荒れた魔王領を救っていく。
◆ルグラン
魔族を統べる魔王。25歳。
性別はアルファ。
漆黒の角と赤い瞳を持つ。
人間たちからは残虐な怪物として恐れられているが、実際は真面目で不器用な、領民の生活を第一に考える心優しい青年。
不毛の地である魔王領の食糧事情をどうにかしようと、自らクワを持って畑に出ることもある。
◆ローゼン
人間の国の次期国王。
ダンテの異母兄。
性別はアルファ。
傲慢で自己中心的な性格。
ダンテを蔑み、厄介払いとして魔王領へ追放した張本人。
のちに自身の愚かさによって国を滅亡の危機に追いやる。