あらすじ
公爵令嬢マリリッタは、四十年間、罪人だった。
婚約者の弟に横恋慕し、純潔を奪おうとした女——そう決めつけられ、離宮に幽閉されたまま老いた。妹ジュリリッタの顕彰状を書き続けながら、誰にも真実を告げられないまま。
死の淵で「あの日に戻れたなら」と願った瞬間、意識が十九歳に飛んだ。
今度は黙っていない。四十年分の重さを持ったまま、マリリッタは静かに妹の前に立つ。そこへ現れた大聖堂の聖女が告げた言葉は、冤罪の裏に王子の保身が絡んでいたという、誰も知らなかった真実だった。
罪人が罪人でなくなる日。
聖女は嬉しそうにはにかんだ。