あらすじ
整理された机の上。そこに置かれているのは、必要最小限のものだけ。動くことのないそれらは、ただそこに在り続ける。
しかし、その静けさは本当に「何も起きていない」と言い切れるのだろうか。
使われるものと、残されるもの。見られるものと、見られないもの。選ばれるものと、選ばれないもの。
本作は、そうした日常の中に埋もれた差異を、淡々とした視線で描き出す。語り手は評価せず、導かず、ただ観測し、記録するのみ。
読み進めるほどに、静かなはずの空間が別の意味を帯びていく。気づいたとき、読者はその視線の外にはいられない。