あらすじ
一年の夏休み明け初日。
他クラスでは、とある美少女の転校をきっかけに、大きな騒ぎが起きていた。
その中心にいたのは――天野日依(ひより)
誰もが見惚れるほどの美貌。文武両道。人当たりも完璧。
さらには名家のお嬢様という、まさに“非の打ち所がない存在”。
やがて彼女は「聖女」と呼ばれ、周囲から崇められるようになる。
そんな存在に、浅香燈真(とうま)は特別な興味を持つこともなく、
「そのうち見かけることもあるだろう」程度にしか思っていなかった。
――自販機の前で、彼女と出会うまでは。
「この機械……。何度お願いしても、反応してくださらないのです」
「……だろうな」
完璧なお嬢様・天野日依。
しかしその実態は――自販機の使い方すら知らない、筋金入りの“世間知らず”だった。
コンビニも知らない。お金の使い方も分からない。
そんな彼女に、燈真はただ“当たり前のこと”を教えていく。
それは特別なことじゃない。
けれど彼女にとっては、初めて触れる“普通の世界”。
そして少しずつ、二人の距離は近づいていく。
これは――
世間知らずなお嬢様が、
ただの田舎の少年と出会い、“普通”を知り、恋を知っていく物語。