あらすじ

路地裏の小さな修理屋《つくろい屋 針と木》に持ち込まれるのは、壊れた靴や剣、万年筆や鍵——そしてなぜか、人間関係の“ほつれ”ばかり。 店主は無表情で無愛想なエルフ職人リネ。相棒はよく喋る猫耳の弟子ポポ。 慰めすぎず、踏み込みすぎず、ただ確かな手つきで「また動けるように」つくろう。 そして最後に落ちる短い一言が、止まりかけた誰かを、もう一度だけ動ける状態に戻していく。 ある日、リネのもとに差出人のない荷物が届く。 それは、彼女が長く閉ざしてきた「流れ着く前」の記憶へと繋がっていた。 一方ポポもまた、依頼人たちとの出会いを通して、師匠と自分が同じ時間を生きてはいないことに気づいていく。 言葉にしきれないまま残る不安と、それでも隣にいたいという気持ち。 二人のあいだに流れる時間は、静かに形を変え始める。 手放せないものがある。 忘れられないこともある。 それでも、また動けるようになることはある。 これは、過去を抱えたまま続いていく日々と、明日もまた扉を開けるための、二十のつくろいの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/04/02
  • 現在の作品《つくろい屋 針と木》