あらすじ
魔王軍との最終決戦で、王国最強の姫騎士 セレスティア=ルーンフェルト は敗北した。
それも、一度や二度ではない。
彼女は王国を救うため、禁呪によって “死に戻り”を百回繰り返してきた。
誰がどこで裏切るのか。
どの戦場で兵站が崩れるのか。
どの将が折れ、どの都市が燃えるのか。
すべてを知り尽くしてなお、彼女は百回とも世界を救えなかった。
心が擦り切れ、感情すら摩耗しきった百回目。
彼女が辿り着いたのは、これまでのどの世界線にも存在しなかった一人の青年、辺境記録官 ユウト のもとだった。
戦場の配置も、補給線も、王都の政争も。
彼だけは、百回の失敗を聞いても彼女を責めなかった。
「もう一人で背負わなくていい」
その一言で、最強無敗と呼ばれた姫騎士の心は、初めて静かに崩れ落ちる。
昼は誰よりも強く、誰よりも完璧に戦う。
けれど夜になると、彼女は震える手で扉を叩く。
「……少しだけ、ここにいてもいいでしょうか」
これは、百回世界を救えなかった最強の姫騎士が、
百一回目の世界で初めて“甘えること”を覚え、
やがて世界そのものを救い直していく、異世界最かわヒロイン譚。