あらすじ
『――圏外? いや、さっきまで東京にいたはずだろ』
途上国への農業支援に向かうはずだった農学部の青年・穂高拓真は、気づけば見知らぬ荒野に立っていた。
そこは魔法も魔物も存在しない、極めてリアルで過酷な中世風の異世界。
足元の土は極度の酸性に侵され、植物の根を焼き尽くす「死の土壌」だった。
頼みの綱は、天才エンジニアの親友と繋がる独自アプリを入れたスマートフォン。
だが、時空を超えた通信には《1日わずか数分》という残酷なタイムリミットがあった。
言葉も通じない。チート能力もない。
そんな絶望のどん底で、拓真はボロ小屋で餓死寸前になっている家族(没落した凄腕商人カイルと、幼い姉弟)と出会う。
「この家族を見捨てたら、俺は一生、自分を農学者だと名乗れない」
拓真はポケットに残された「新種の種芋」を握りしめ、泥にまみれて荒野を開拓する決意をする。
土壌を改良し、AIのデータ分析で言語の壁を越え、現代の農業・インフラ知識を駆使して、餓死寸前の辺境を豊かな土地へと変えていく。
いずれは没落商人カイルの知略とタッグを組み、世界すらも巻き込む巨大な『泥靴プロジェクト』が幕を開ける!
「――さあ、まずはこの死んだ土を耕すところからだ」
圧倒的リアリティとロジックで紡ぐ、泥臭くも熱い異世界農業サバイバル、開幕!