あらすじ

この世界では、罪を犯した人間を「天使」に捧げることで魂を浄化しより良い存在へと転生させるという、残酷な救済の信仰が根付いていた。 とある村にはその救済のシステムを嫌う青年ネロとそんなネロを窘めるシスターのアマリアがいた。そんな彼らは、聖職者としては許されぬ特別な感情を寄せ合っていた。そんな二人の密かな恋を知ったのは、アマリアを娘のように慈しみ、そんな娘を独占していたいと願う神父。神父はアマリアを罪人にしないため、その「原因」であるネロを排除することを決意する。 「お前を殺すのではない。浄化し、お前たちの魂を救済するのだ」 神父の歪んだ親心により、ネロは罪人として「天使への供物」とされてしまう。村人は彼を大切に育てていたが、信仰には勝てず、淡々と、そして確実にネロの立場は祭壇へと追い詰めてられていく。ステンドグラスが紙のように裂け、月光と共に舞い降りる「純白の異形」。アマリアの絶叫が響く中、ネロは己を食らおうとする化け物を見据え、最期まで抗い、そして愛する彼女へ微笑みかける。 「アマリア……どこにいても、俺は君を守るから」 肉を裂き、骨を砕く音。ネロの肉体と記憶をすべて飲み込み、儀式を終える鐘が鳴る。 投げ入れられた自室にて愛する人を失い悲しみに暮れる彼女のもとへ、コン、と乾いたノック音が響く。 扉を開くと、そこにいたのは死んだはずの想い人ネロと同じ姿の『何か』だった。 蘇った”ネロ”を中心に、村の平穏は徐々に崩れ始め、アマリアはネロを人間へ戻すことを決意する。 多様な愛と欲望のダークファンタジー。

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カクヨム
カクヨム2026/04/02
  • 現在の作品贖罪のアギト