あらすじ
今、京都は大きく揺れています。
街には人が溢れ、かつての静寂や、守られてきた「清らかな空気」が少しずつ摩耗していくのを、肌で感じ、土地が汚れ、建物が壊され、見慣れた景色が「どこにでもある街」へと変容していくことへの、言葉にできない恐怖と悲しみ。
私は、その「目に見えない破壊」を、ただ嘆くだけで終わりたくなかった。
そこで、古の怨霊である早良親王の伝説と、月の神・月読命を現代の京都に呼び戻しました。
千年の結界が壊れていく絶望を「九尾の骨」や「石板のヒビ」として描き、一人の神様にその孤独な戦いを背負わせたのは、私が感じていた「このままでは京都が終わってしまう」という危機感の現れかもしれません。