あらすじ
【あらすじ】
「ごめんね、カイル。私はもう、あの頃の私じゃないの」
かつて辺境の村で、永遠の愛を誓い合ったカイルとアリス。
しかし、運命は残酷だった。アリスは世界を救う『光の勇者』として選ばれ、魔力を持たないカイルは「勇者の足手まとい」として王国から追放されてしまう。
それから五年。
アリスは数々の魔族を討伐し、人類の希望となった。だが、カイルは知ってしまう。
聖剣に宿る神の意思が、勇者の心を蝕み、やがて人類さえも「不純物」として抹殺する裁定者へと変えてしまうという恐ろしい真実を。
愛する彼女を、神の傀儡(くぐつ)にさせない方法はただ一つ。
聖剣の契約を上書きするほどの「絶対的な悪」となり、彼女の手で殺されるか、あるいは彼女を殺すこと。
「君が聖女として世界を救うなら、俺は魔王として君を救う」
カイルは禁忌の魔導に手を染め、漆黒の魔王として玉座に君臨する。
すべては、世界を敵に回してでも、幼馴染との「あの日の約束」を果たすために。
これは、誰にも祝福されない戦いに身を投じた男と、心を失いかけた勇者の、世界で一番残酷で愛おしい「最後の喧嘩」の物語。