あらすじ
気づいたら、また同じことをしていた。
アパートの前。
理由は、説明できない。
できないまま、警察の声を聞いた。
終わった、と思った瞬間。
視界が白く弾けた。
召喚された異世界で、俺は変わらなかった。
月が三つあろうと、獣の耳を持つ者がいようと、俺の目は侍女の手首に向かった。
足音を覚えた。
時間を覚えた。
先回りした。
七日目。王に呼ばれた。
「見事だ」
王は言った。
俺はただ、見ていただけだ。
理由など、なかった。
最初から、なかった。
前世でも、そうだった。
前世と違うのは、世界じゃない。
許される立場に、なっただけだ。