あらすじ
「やりすぎた」——。
格闘技の聖地、超満員のスタジアム。最強の格闘家と呼ばれた男の拳は、対戦相手の命を奪った。
世間は彼を「人殺し」と指弾した。だが、彼の中にあったのは罪悪感ではなく、冷徹なまでの納得感だった。
空手、柔術、ボクシング……彼が人生を捧げて磨き上げた「武道」の本質とは、元来、人を効率的に殺害するための技術体系に過ぎない。スポーツという「型」の中でたまたま守られていた命が、壊れただけのことだ。
社会から疎外され、自室に引きこもっていた男は、ある日、プロテインを買いにいくつもりが異世界の戦場へと転移する。
チートスキルも、魔法の才能も、伝説の武器もない。
あるのは、彼が人生を捧げて鍛え上げた「肉体」と、人を解体するための「技術」のみ。
「ここでは、殺しても誰も俺を責めない。ただ殺さなければ、殺されるだけだ」
現代社会で忌み嫌われた「人殺しの業」が、異世界では「生存のための最強の資質」へと変わる。