あらすじ
「才能がない」——そう蔑まれ、辺境へ追いやられた第三王子レイン。
彼が与えられたのは、死ぬたびに発動する最悪の呪い。
それは、「未来で到達したはずの自分の技術や魔力」を、現在の身体に無理やり定着させる力。
代償は、寿命の極端な前借り。
剣術、魔法、戦術——死ぬたびに強くなる。
そのたびに、彼の髪は白く染まり、魂は擦り切れていく。
彼を支えるのは、些細な変化から「時間を巻き戻している」ことに唯一気づいた冷徹な女軍師シエル。
彼女は言葉にしない信頼で、レインの孤独な戦いを「戦略」という形で支える。
目指すは、世界を滅ぼす破滅の魔女。
本来なら数百年かけても届かない絶対的な壁に、レインは最短ルートで挑む。
「足りないなら、もっと先の僕を連れてくるだけだ」
未来の自分が血反吐を吐いて積み上げた努力の結晶を、今この瞬間に前借りして——
彼は、たった一回の人生で、世界を救うことができるのか。
これは、呪われ王子が未来の自分へ捧ぐ——最初で最後の英雄譚。