あらすじ
シュタイン伯爵家の長女、エルゼ・フォン・シュタインはフィリップ・フォン・アルベルトに恋をしていた。しかし、それはもう遠い昔の話。
『君はいつも強くて、賢い。僕がそばにいなくても、一人で立派に過ごせる、誇り高い女性だ。 埋め合わせは必ずする。愛している』
「……『愛している』、ですか」
エルゼはその一節を、カサついた声でなぞった。 その言葉が、免罪符のように使われることに、彼女はいつからか、喉の奥に苦い塊がせり上がるような不快感を覚えるようになっていた。
いつも幼馴染を優先するアルベルトに、恋心はすっかり冷めてしまった。