あらすじ
「エルザ・ヴァイスハウプト! お前の悪行、もはや看過できぬ!」
三日間、鏡の前で練習した完璧な断罪。
俺は、泣いている男爵令嬢リーナのために、冷徹な婚約者エルザを国外追放した。
――だが、翌週。
財務大臣は胃潰瘍で倒れ、外務卿は「丸腰だ」と絶望し、近衛騎士団長は「兵站が死んだ」と報告に来た。
俺が「冷淡だ」と切り捨てた彼女は、俺が鷹狩りをしている間に、たった一人でこの国を回していたのだ。
デスクに残された、銀色の鍵と、未開封の四十七通の報告書。
そして、最後の手紙に書かれた「お身体にお気をつけて」という七文字。
――もう、遅すぎた。
これは、自分の手で「最強の右腕」を切り捨てた愚かな王子の、終わりの始まりの物語。