あらすじ
星暦の異世界エルセア。
セレスト王国の王立異界巡察局に所属する新人巡察官アステル・ルミナスは、第一任務として高濃度の魔素に覆われた辺境マグノア公領グレイスハルへ赴く。ところが現地では、彼女の能力は最低出力ですら“山三つ吹き飛ばす”ほどに増幅され、まともな任務遂行すら不可能になってしまう。絶望の中で出会ったのは、周囲の魔素を不思議なほど静める“ぼくっ子”の少女ブリオ・フェリシアだった。ブリオがそばにいる時だけ、アステルの暴走寸前の力は初めて制御可能になる。
即席の相棒となった二人は、希少生物・月紋猫の密輸事件を追ううちに、辺境を騒がせる事件の背後に、帝国の陰謀と異常な魔素災害、そしてブリオ自身の出自に関わる巨大な秘密が潜んでいることを知る。触手で二人を引き離そうとする少女セリア、歪んだ絆で結ばれた軍服の双子、圧倒的な操縦技術を誇る吸血姫カーミラ。強敵たちに狙われながら、アステルは次第に気づいていく。ブリオはただ力を抑えてくれる存在ではなく、自分が守りたいと願う、たった一人の特別な相棒なのだと。
離れれば暴走、寄り添えば共鳴。
守るために始まった関係は、やがて世界の運命と二人の心を結ぶ絆へ変わっていく。これは、壊すことしかできないと思っていた少女が、ぼくっ子の相棒とともに“守る力”を見つける、異世界バディファンタジー。