あらすじ
かつて、この世界には「音」がなかった。
音響の神・天音と、静寂を求めた者・無響の戦いの末、世界は豊かな旋律を取り戻したはずだった。
――時は流れ、戦乱の時代。
人々は救いのために、一人の少女を「歌姫」として祭り上げ、その命を削り続けていた。
「もう、終わらせればいいんだ。こんな悲しい世界も、歌も……」
絶望の果て、歌姫・天音が口ずさんだのは、世界を終わらせるための禁忌魔法『終焉のレクイエム』。
世界が音を失い、静止していく中、一人の青年・はるとだけが、折れた剣を手に走り出す。
彼女が欲しかったのは、祈りでも力でもない。
ただ一言、「君の歌は綺麗だ」という言葉だった。
これは、孤独な歌姫と、彼女に声を届けようとした剣士が紡ぐ、数千年の時を超えた再会と救済の物語。